数年前にこのPlotClockをネットで見かけました。面白い発想だなと思い、いつか作ってみたいと思っていました。
今回、別の作品の為にI2C用RTCモジュール(DS3231)を数個購入したので、
このplotclockのサイト
を参考にして作ってみました。
上記サイトから3Dプリンター用のSTLファイル及びプログラム等全てを借用して製作しました。
完成したPlotClock(1号機)の起動動画です。前の時刻を消去し、マーカーペンで次の時間:分を表記します。
これを1分毎に繰り返します。
マーカーペンとホワイトボードは、100均で「ホワイトボードノート」を購入して使用しています。
サーボモーターは、SG90 or MG90Sを使っています。
3つのサーボモーターの電源は、Arduino Nanoの5Vを使用しないで供給用電源としておきました。
1.アームの関節部分の3Mネジには「ナイロン挿入六角ロックナット」を使っています。通常のナットでは、
稼動中に緩んできます。
2.RTCモジュール(DS3231)に使用する電池ですが、モジュールに充電回路が施されているため、一般の電池
「CR2023」は使用できません。
充電できる「LIR2023」電池を使用してください。
3.Arduino IDEのヘッダーファイルについって
上記サイトにある2つのファイル「DS3231」と「Time-master」をAruduinoのライブラリーにインクルードしますが、
Arduino IDEの最新版には、すでにライブラリーに「Time」が存在していますので、「Time-master」の中の「Time.h]
と競合してプログラムの書込みでコンパイルエラーを起こします。
したがって、すでにあるライブラリーの「Time」ファイルは、一旦別のフォルダーに移動するかファイル名を変更して置くことが必要です。
このPlotClockの製作が終えたら「Time」ファイルを元にもどし、「Time-master」は削除しておいてください。
4.サーボモーター(アーム)の調整について
スケッチプログラム「plotclock.ino」を開くと、
#define CALIBRATION (注釈//が削除された状態)でアームのキャリブレーションが定義されています。
#define REALTIMECLOCK(注釈//が削除された状態)で、クロックモジュールを使用します。
(1)スケッチプログラム「plotclock.ino」を起動すると、アームは、下図のように左のサーボに直結された
L1アームが水平に左側に向いているとき、右のサーボのL1アームは垂直に真上を向く状態になり2つのアームの角度が90度になるように
されています。
左右が逆の場合も同様です。これを交互に繰り返しますので次のように調整します。
2つのL1アームが水平に向くように以下の2つの値で調整します。
#define SERVOLEFTNULL 1930
#define SERVORIGHTNULL 760
また、2つのL1アームが真上を向くように以下の2つの値で調整します。
#define SERVOFAKTORLEFT 695
#define SERVOFAKTORRIGHT 670
(2)次に、//#define CALIBRATIONのようにコメント//を挿入し、デバッグモードをオフにして、起動すると
アームは消去動作及び書込み動作を開始しますので、ペンの動きを次の値で調整します。
#define LIFT0 1110+ZOFF //on drawing surface
#define LIFT1 900+ZOFF //between numbers
#define LIFT2 735+ZOFF //going towards sweeper
(3)RTCモジュールを使用して、時刻の設定をします。
#define REALTIMECLOCKの注釈//が削除されていることを確認してください。
プログラム中の次の部分で、注釈//を削除し、時刻を設定してからArduinoに書込み、起動すると
RTCモジュールに時刻を書き込みます。
rtc.begin();
rtc.setDOW(TUESDAY); //(曜日)
rtc.setTime(14, 40, 0); //(時間、分、秒)
rtc.setDate(27, 6, 2023); //(日、月、年)
この後、
//rtc.setDOW(TUESDAY);
//rtc.setTime(14, 40, 0);
//rtc.setDate(27, 6, 2023);
のように注釈//を挿入し、再度Arduinoに書込み、起動すると正しい時刻が表示されます。
1号機の弱点は、マーカーペンに有ります。何度か使っているうちに乾燥して書けなくなります。これを解決すべく
色々と試行錯誤した結果、「クリーンノートKaite 貼れるタイプ」を使って2号機を製作することにしました。
1.完成したPlotClock2号機の起動動画です。
数字の濃さは薄いですが、これだと何回でも使用できます。
2.「クリーンノートKaite 貼れるタイプ」について
(1)PLUSから販売されている「クリーンノートKaite 貼れるタイプ」の「ふせんサイズ」を購入しました。
付属の「イレーサー付き専用ペン」の先には磁石の棒が付いており、頭部にイレーサー用の直方体の磁石が 入っています。
(2)写真のようにペンとsweeperを改造しました。
①「イレーサー付き専用ペン」の先を切断し、1号機で使用したマーカーペンの先に挿入しました。
②イレーサー用の直方体の磁石も取り出して、sweeperにはめ込みました。
この直方体になっている磁石の記入面からの高さは6mm~7mmくらい離しておくと良いと思います。
記入面からの距離が近いと磁力が強くなり記入面が黒くなります。
3.3Dプリンターで筐体を作成し、その中にArduino NANOとRTCモジュールを入れてあります。
また、sweeperも磁石をはめ込むために作り直しました。
4つの部品を新たに作りました。それ以外の部品は1号機の部品を使いました。
使えるかどうか分かりませんが、参考のために新たに作った4つの部品のSTLファイルをダウンロード出来るようにしておきます。
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